2021年03月16日
「毛鉤のヒトはみんなルアーやるようになったな」と地元のおじさんは言った
ヤマメは嬉しい。

どこから川に下りるか考えながら、
下流から歩いて行くと、
釣り人の多さよ。
ルアー2人、テンカラ1人、餌釣り3人、フライ1人が、
途切れたところで着替えることにした。
着替えていたら上流から2人の餌釣りのヒトが来た、ははは。

少し釣り上がって堰堤の上に行くと、
川原に停めてある軽トラで来たらしき地元のおじさんに
「出た?」と声を掛けられた。
いや、まだそこから始めたばかりで、と答える。
おじさんが俺のベスト姿を見て笑う。
「そんないろいろぶら下がってて、ドボンしたら大変だな、あはは」
ドボンしたらいろいろぶら下がってなくても大変ですよ、
と口には出さず、はは、と笑っておく。
「下のほうはヒトが多くて、すぐそこまで歩いてきてから始めたんです」
「昨日、釣り大会やったから、みんな、その残り鱒を釣りに来てるんだ」
「釣り大会? 残り鱒ですか(残り鱒狙いではない俺は、その〈みんな〉には入っていない)」
「残り鱒は釣りきられるけど、ヤマメは釣りきらんないから残って秋になれば尺近いのも出るよ。でも、〈フライロッドを指して〉そういうのではどうか分かんないな。友(アユ)引っ張ってくると追ってくるから」
虹鱒は釣りきられるけどヤマメは釣りきられない、そういうものですか。
「友アユを追うなら、大きめのルアーとかもいいんですかね?」
「ああ、そういうのもいいかもな。毛鉤のヒトはみんなルアーやるようになったな」
「へえ、そうですか(またしても俺はその〈みんな〉には入っていない)」
〈みんな〉に入っていない俺は、もう釣り上がりたくなったので、
「上のほうにはヒトいましたか?」と聞くと、
「いや、いないよ」と教えてくれたので、
「ありがとうございました!」と爽やかに礼を言って
みんなみんなのおじさんと別れ、
上流へ向かったのであった。
川はガガンボだらけだ。

と言ってもガガンボが食われているようなライズはない。

去年の同じ時期にライズを取った護岸際も
全く反応がない。
もう1つ上の堰堤まで行ってから、
下流へ戻った。
狙いは前々回釣れた石の脇の流れ。
餌釣り、ルアー、フライ、テンカラびとたちが通ったはずの、
ペンペン草も生えない流れ、かもしれない。
前にはライズがあったが、今回はない。
少し考えてフライを16番のソフトハックルに結びかえ、
上から流し込んだ。
5回、6回と流すが出ない。
立ち位置を変えて細い流れの
端から端をスイング。
かかったがすぐに外れた。
もうダメかな、と思いつつもう一度。
今度はきっちり、1週間ぶりにネットが濡れた。

また何回か流すとコツンと来たがかからない。
18番アグリーニンフを結んで流し込むと
ぐぐぐっとアタリ。
ん? ヤマメにしてはぐるんぐるんしない。
この辺りにいるヤマメにしてはやけに強い。
虹鱒でした。

まあね、虹鱒も嬉しい。
そうか、君が「残り鱒」ってやつか。
日は山の陰に入り、すっかり暗くなっていた。


どこから川に下りるか考えながら、
下流から歩いて行くと、
釣り人の多さよ。
ルアー2人、テンカラ1人、餌釣り3人、フライ1人が、
途切れたところで着替えることにした。
着替えていたら上流から2人の餌釣りのヒトが来た、ははは。

少し釣り上がって堰堤の上に行くと、
川原に停めてある軽トラで来たらしき地元のおじさんに
「出た?」と声を掛けられた。
いや、まだそこから始めたばかりで、と答える。
おじさんが俺のベスト姿を見て笑う。
「そんないろいろぶら下がってて、ドボンしたら大変だな、あはは」
ドボンしたらいろいろぶら下がってなくても大変ですよ、
と口には出さず、はは、と笑っておく。
「下のほうはヒトが多くて、すぐそこまで歩いてきてから始めたんです」
「昨日、釣り大会やったから、みんな、その残り鱒を釣りに来てるんだ」
「釣り大会? 残り鱒ですか(残り鱒狙いではない俺は、その〈みんな〉には入っていない)」
「残り鱒は釣りきられるけど、ヤマメは釣りきらんないから残って秋になれば尺近いのも出るよ。でも、〈フライロッドを指して〉そういうのではどうか分かんないな。友(アユ)引っ張ってくると追ってくるから」
虹鱒は釣りきられるけどヤマメは釣りきられない、そういうものですか。
「友アユを追うなら、大きめのルアーとかもいいんですかね?」
「ああ、そういうのもいいかもな。毛鉤のヒトはみんなルアーやるようになったな」
「へえ、そうですか(またしても俺はその〈みんな〉には入っていない)」
〈みんな〉に入っていない俺は、もう釣り上がりたくなったので、
「上のほうにはヒトいましたか?」と聞くと、
「いや、いないよ」と教えてくれたので、
「ありがとうございました!」と爽やかに礼を言って
みんなみんなのおじさんと別れ、
上流へ向かったのであった。
川はガガンボだらけだ。

と言ってもガガンボが食われているようなライズはない。

去年の同じ時期にライズを取った護岸際も
全く反応がない。
もう1つ上の堰堤まで行ってから、
下流へ戻った。
狙いは前々回釣れた石の脇の流れ。
餌釣り、ルアー、フライ、テンカラびとたちが通ったはずの、
ペンペン草も生えない流れ、かもしれない。
前にはライズがあったが、今回はない。
少し考えてフライを16番のソフトハックルに結びかえ、
上から流し込んだ。
5回、6回と流すが出ない。
立ち位置を変えて細い流れの
端から端をスイング。
かかったがすぐに外れた。
もうダメかな、と思いつつもう一度。
今度はきっちり、1週間ぶりにネットが濡れた。

また何回か流すとコツンと来たがかからない。
18番アグリーニンフを結んで流し込むと
ぐぐぐっとアタリ。
ん? ヤマメにしてはぐるんぐるんしない。
この辺りにいるヤマメにしてはやけに強い。
虹鱒でした。

まあね、虹鱒も嬉しい。
そうか、君が「残り鱒」ってやつか。
日は山の陰に入り、すっかり暗くなっていた。
