群馬にロッドを買いに行く:ついでで長野・犀川へ

亮太

2019年10月10日 11:21

群馬・松井田のアンクルサム。
バンブーロッドを数十本(100本超?)展示しているけど、
通信販売はやっていません。
とにかく一度行ってみないことには分からん「味」の宝庫。


店の真ん前は中山道。
店主・小板橋さん(この「小」が付いているのがそもそもいい味だ)の
人となり、語りに触れるとたぶん48時間は残像が後ろ頭に漂うことだろう。

というような話を帰ってきてから、妻に話すと、
「ああ! 小板橋さんを見たい!」、
昨日、一緒に呑んだれーこちゃんは、
「小(こ)、小(こ)がいいよね! 板橋じゃあつまらないよね。ああ、小板橋さん見たい!」
みんなまだ見ぬ小板橋さんの虜だ。

10月8日、ここへ何をしにいったのかというと、
通信販売していない白戸ロッド作の
オイカワ・ファインを買いに行ったのです。
店の外で何本か振らせてもらって、
最初から欲しかったこれに決めた!となったのだが、
小板橋さんが最近始めた義太夫の話(後に人形浄瑠璃と判明する)が
面白くて「コレください」と言い出す機を逸して、
いつまでも聴いてしまう。
ようやく息の接ぎ穂にずばりと斬り込み(それほどカッコよくはない)、
「あの、コレください!」と言うことができた。
めでたしめでたし。

小板橋さんの店、アンクルサムがどんな店かは、
フライの雑誌社>あさ川日記「アンクルサム(群馬県安中市)さんからのお便り」に詳しい。


さあ、われらは小板橋さん風味も体に満タン、
ついでに犀川に釣りに行きましょう!

アンクルサムまで140km。
そこから、ついでの犀川まで120km。
その「ついで」で朝から帰るまで何百km(八ヶ岳を大きくぐるりと回る490km)も
運転するH氏には申し訳ない限り。
私は助手席でべらべらと喋っているだけだ。

犀川到着。


前日、多摩川で振り回した9フィート8番のスイッチロッドを
ここぞとばかりぶんぶん振り回す。

こんなことを言っちゃあなんだが、
小板橋さんと比べると、なんとまあ味のない、
でろーんとした川であることよ。
(たぶんバンバン釣れていればこんなことも言わないだろうに)

とにかくいろいろなウェット系フライを試し、
とにかく何も起きない川面に絶望のため息を漏らしつつ
こんなフライを結んだり。




こんなものにすがったり。




テッテ的に何も起きない。




暗ーくなるまで何も起きなかった。
私だけ何も起きなかったのかというと、
H氏にも何も起きなかったし、
他にもう1人いた釣り人にも何も起きなかったというので、
世界的に何も起きなかった平和な一日だったのであろうよ。

H氏と二人、「悔しいなあ」と飯を食う。
ちゃんとおいしい、ちゃんとした接客で、
ちゃんとちゃんとした店で、
「ちゃんとちゃんとちゃんとで味がないなあ」とか、
「小板橋さんの味が薄まってちょうどよくなった」だとか語り、また車を走らせる。
いや、走らせてるのは朝から晩までH氏だけれども。

明かりの真ん中、ブラックホールのように真っ暗の諏訪湖を眺める。


途中、「東京 198km」という標識を見て、
もうダメだ、今日中には帰れない、と覚悟したものだ。


そんなことはなく無事に送り届けられ、
家に到着したのが23時過ぎ。
オイカワファインを眺めつつにやにや、
死屍累々の犀川不発のフライを眺めつつぐったり、
ハイボールじゃあ薄すぎるのだと言って、たまにはロックでボウモア。


まあ、なんというかね、毎度同じようなことを言いますが、楽しい人生です。



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